この記事は日本人と台湾人が国際結婚した場合の手続きをご紹介します。
台湾(中華民国)と日本では、法律が異なり結婚手続きや婚姻要件も違います。
しかしながら日本と台湾は戸籍制度があったり、他国と比較して似ている部分が多いのが救いです.
実際の婚姻手続きに入る前に、台湾(中華民国)人の結婚要件をご紹介します。
台湾人の婚姻年齢は、男性が18歳以上、女性が16歳以上です。
少し前の日本人の結婚年齢と同じでした。
(今は男女ともに18歳以上)
台湾人の成人年齢は男女ともに20歳以上です。
(民法改正で2023年に18歳以上が成人年齢になる)
結婚年齢と成人年齢に数年の差があります。
台湾の場合、未成年者の結婚は法定代理人の同意が必要とあります。
(同意を証明する文書が必要になります。)
原則的に現在の姓を使うことになります。
(戸籍があるから夫婦同姓になりそうな気がしますが)
いわゆる夫婦別姓というヤツですね。
婚姻手続きの際に書面を提出することで、何方かの名字を使用することも可能です。
ちなみに日本も国際結婚の場合は夫婦別姓です。
再婚禁止期間とは、離婚から再婚の間にインターバルを作る制度です。
例えば日本の場合、女性は100日の再婚禁止期間があります。
台湾には、再婚禁止期間は男女ともに規定がありません。
かつては台湾にも待婚期間がありました。
1998年に民法の改正で再婚禁止期間が無くなりました。
日本方式で結婚する場合、再婚禁止期間が問題になる事もあります。
(日本人パートナーが女性である場合など)
中華民国も一夫一妻制を採用しています。
なので重婚は禁止です。
(重婚が可能なのは、イスラム圏です)
直系血族や直系姻族間の結婚は禁止されています。
近親婚の範囲は、アジア圏では日本よりも広く取られる傾向にあります。
国際結婚する場合は、それほど関係する話ではないかと思います。
台湾の婚姻取消事由の中に、性的不能と精神の不健全があります。
台湾民法995条にて、夫婦の一方が性的不能で治療できない場合、裁判所に婚姻の取消を請求できるとあります。
この状態を知った時から3年を経過している場合は、取消できないともあります。
また当事者の一方が心神喪失や精神錯乱状態にある場合、回復後6か月以内に取消できると。
日本の感覚だと疾病で婚姻取消は不思議な感覚があります。
意外と特定の疾病の罹患者との結婚がダメな国は少なくないです。
国際結婚手続きは、婚約者の一方がお相手の国に出向く必要があります。
正直な所、時間もお金も少なからずかかります。
(仕事をしている場合、1週間単位で休みを取るのも簡単でなない)
現地で必要な書類が足りない等のトラブルに遭遇した場合…
代表処(台湾の大使館)や交流協会(日本の領事業務を担当)でリカバリーできない事も。
最悪、自分の国にとんぼ返りして書類を集め直す破目になることも珍しくないです。
(現在は入国するのもPCR検査や隔離期間など簡単ではない)
国際結婚手続きする前に最新情報を入手する必要があります。
弊所のサイトも細心の注意を払って記事を書いていますが…
全ての情報に対応できているかと言えば「NO」と言わざるを得ないです。
手続き前に双方の国の役所のホームページで最新情報をご確認ください。
参考までに日台双方の領事業務を担当する組織のURLを掲載いたします。
台北駐日経済文化代表処(台湾の領事業務を担当)
https://www.roc-taiwan.org/jp_ja/index.html
公益財団法人・日本台湾交流協会(日本大使館の類似組織)
前置きが長くなってしまいました。
ここから実際の手続きの流れに入っていきます。
国際結婚は婚約者双方の国で婚姻手続きが必要です。
順番は日本からでも台湾からでも可能です。
日本方式を取る場合、台湾人婚約者が来日する必要あります。
逆に台湾方式だと、日本人が台湾に入国が必要。
肌感覚としては、台湾の方が就労ビザなどで日本にいる場合は、ほぼ日本方式になります。
そうでない場合は、台湾方式を取る事が多いかなと思います。
まずは日本で創設的届出をする場合です。
手続きは大きく3つに分かれます。
(最後の1つは、また別の手続き)
日本方式の中身を一つ一つご紹介します。
日本と台湾の制度が似ているのが良い点です。
最初に行うことは、婚約者の婚姻要件具備証明書(独身証明書)を取得すること。
台北駐日経済文化代表処という役所で手に入れる事が可能です。
就労ビザや家族滞在ビザを取得されている方は、居住地を管轄する代表処で手続きします。
大阪なら台北駐大阪経済文化代表処といった具合に。
独身証明書は窓口でも郵送でも入手可能です。
(台湾国籍が無い方は窓口に来所オンリー)
所要日数は1週間とあります。
最近は郵便局の配達日数がかかるので、手元に届くのは2週間かと思います。
〒108-0071
東京都港区白金台5-20-2
台北駐日経済文化代表処 領事部 4番窓口
郵送申請の場合、特急対応が無いので…
急ぎの場合は窓口に駆け込む事をお勧めします。
台湾の独身証明書が手に入れば、区役所に婚姻届を提出します。
区役所の窓口には、カップル二人で来庁します。
婚姻届の受理後、戸籍に婚姻事実が記載されたら日本側の手続きは完了。
婚姻届を書く際に、国名表記が役所によって対応が分かれます。
台湾(中国)と記載するようにと言われる事もあります。
台湾語(繁体字)で書かれた文書を日本語に翻訳が必要。
翻訳者は特に決まりはなく、署名と連絡先があればOKです。
日本側の手続きが終われば、台湾側の手続きです。
場所は台北駐日経済文化代表処の窓口に夫婦そろって来処する必要あります。
また来所前にネットで予約が必要です。
予約は1週間後~可能です。
代表処管轄エリア以外の市区町村役場の戸籍謄本の場合、現地を管轄する代表処にて事前認証が必要です。
例えば結婚登記の提出先が大阪で、戸籍謄本が横浜の場合、
台北駐日経済文化代表処横浜分処で戸籍謄本の認証が必要です。
次は台湾で創設的届出を行う場合です。
日本人が台湾に入国して行うタイプです。
今は入国前後のPCR検査や隔離期間などもありますので、滞在日数に余裕を持たせる事をお勧めします。
手続きの流れは少し細かく分割すると以下の様になります。
台湾入国前に行うのは、必要書類の準備。
まずは戸籍謄本を台湾の領事部門で認証してもらう事です。
(意外と時間と手間がかかる)
正確には台北駐日経済文化代表処という役所に、書類を持ち込んで認証印を押印してもらいます。
窓口で受領する場合、提出時に交付された領収書原本が必須。
海外のローカルの役所で日本の公文書が本物か確認する術が限られます。
(毎回外務省や国外の役所に問合せるのは現実的ではない)
その手間を省略する為に、領事部門の認証があります。
戸籍謄本の認証が終われば、台湾に入国することに。
以前ならノービザ且つPCR検査なしで簡単に入国できましたが…
現在は台北駐日経済文化代表処で査証を取得する必要が。
詳しくは代表処のウェブサイトにてご確認お願い致します。
https://www.roc-taiwan.org/jp_ja/post/446.html
また空港に入る2日前にPCR検査と台湾の空港でPCR検査があります。
渡航用のPCR検査は、相場で1万円から2万円程度です。
(価格でサービス内容が大きく異なる)
台湾に入国できましたら、日本人の婚姻要件具備証明書(独身証明書)を入手します。
取得場所は、(公財)日本台湾交流協会に本人が出頭して行います。
婚姻要件具備証明書は即日交付されます。
台湾にある市役所で婚姻登記を行います。
窓口に婚姻当事者双方が揃って書類を提出します。
正確な書類や手続きは、市役所にてご確認お願い致します。
台湾の戸籍に婚姻事実が記載されれば中華民国側の手続きは完了です。
手続き完了後、婚姻証書と戸籍謄本が入手できます。
ラストは日本側の手続きです。
日本の区役所に婚姻届を提出します。
報告的届出なので、区役所は日本人一人でも可能です。
市役所の戸籍係窓口に出向いて行う方法、また郵送する方法があります。
(台湾で生活する方以外は、帰国後に提出することが多いです。)
婚姻届が受理され、戸籍に婚姻事実が記載されれば日本側の手続きも完了です。
台湾人と日本人の国際結婚でした。
ここまでお読みいただき、
ありがとうございます。
お二人の手続きが無事成功することを
祈っています。
はい大丈夫です。
お電話の場合、書類の確認などができないので、分かる範囲内での回答になります。
許可を出すのは入管局なので、100%必ずとはお約束は難しいです。
許可が取れるように最善を尽くします。
(虚偽申請はダメですけど)
在留カードなど本人確認書類をご持参いただけると幸いです。
大丈夫です。
相談者様が納得された時にご依頼いただければと思います。
(配偶者ビザ申請はお互いの信頼が最重要)
強引に契約を迫る事はございません。
配偶者ビザの種類によりますが、概ね以下の日数はかかるかと思います。
・新規の呼び寄せ:3か月
・ビザ更新:2か月
・ビザ変更:2か月
書類の準備に1か月程度と入管局の審査期間が必要です。
参考までに入管局の標準処理期間を6年分の推移をコンテンツにしております。