この記事は日本人配偶者と離婚した時の手続きについて
配偶者ビザは日本人と婚姻していることで得られる在留資格です。
パートナーと分かれた時は、在留資格該当性が無くなります。
離婚後も日本に滞在したいときは別のビザを取得する必要があります。
離婚後の手続きは以下のような流れで進めていきます。
まずこれからの生活をどうするかです。
最初に考える事は以下の選択。
離婚後は日本から出国する場合、在留資格の変更手続きは不要です。
(配偶者に関する届出だけ出して、帰国準備するだけ)
これからも日本で生活する場合、ビザ変更が必要です。
日本人の配偶者等から変更可能なビザで代表的な物は、以下の通りです。
上記のビザは取得するための条件が異なります。
どの在留資格が可能かは人それぞれです。
この部分は行政書士のアドバイスを受けた方が良いかもしれません。
方針が決まれば、最初に行うことは入管局への届出。
配偶者に関する届出を離婚後14日以内に行う必要があります。
この書類は日本人配偶者と離婚・死別したことを報告するものです。
万が一14日に間に合わなかった場合…
1日でも早く入管局への提出が重要です。
遅くなればなるほど、ビザ変更が難しくなります。
まずは就労ビザに変更する場合です。
この様な場合は、比較的にシンプルです。
結婚前の在留資格に戻せば良いだけなので。
(人事異動や商売替えで仕事内容の変化に注意)
この様な場合は、注意が必要です。
就労ビザの該当性を満たせるスペックと業務内容が必要です。
例えば技術・人文知識・国際業務の場合、一定の学歴と単純作業ダメという制約があります。
またお店を始める場合は、経営管理ビザの在留資格該当性を満たす必要が。
(500万円以上の出資、経営者は現場仕事不可)
離婚後、即再就職が可能なら良いですが…
そう簡単な話では無いと思います。
次は定住者ビザに変更する方法です。
離婚後の在留資格で現実的なのは定住者になると思います。
定住者には日本人実子定住と離婚・死別定住の二種類あります。
離婚時に日本国籍の実子がいる場合は実子扶養ビザを選択する可能性が高いです。
この定住者は入管法に規定されていない告示外定住となります。
日本人の実子扶養は下記の4要件が満たす必要があります。
実子扶養の場合、3年以上の婚姻期間が無くても許可される可能性が高いです。
(日本国籍の子供を育てるためのビザだから)
子供と生活出来るだけの収入がある事が必要です。
(明確な基準は定められていない)
日本人実子扶養で重要なポイントは、子供の親権を外国人親が保持している必要があります。
これが面会交流権(定期的に子供に会える)や養育費を払っているだけはダメです。
親権があるなら、父親が外国人の場合でも定住者ビザを取得することが可能です。
(日本の場合、親権は母親に流れる事が多い)
次に相当期間の子を養育していた実績があること。
これは離婚後に親権だけ取って、子供を育てないケースは許可が出ない事を意味します。
具体的な事例として、子供が未就学児など低年齢の場合、親が仕事をする為に子供の面倒を見る余裕がない。子供が小さい内は本国にいる外国人親の親(祖父母)に預けるはこの監護養育とみなされない。
日本人の実子扶養の審査では、子供の監護養育の方法もチェックされます。
初回は許可が下りても、養育の形跡が見られない場合は定住者ビザの更新不許可になる可能性が高いです。
次は離婚定住ビザについて。
前の定住者は日本人との間に生まれた子(日本国籍)を養育するものでした。
今回の定住者ビザは、離婚時に子供が居ない場合の在留資格になります。
こちらも入管法に規定がない告示外の定住者になります。
離婚定住の要件は以下を全部満たしている必要があります。
実子扶養定住に比べると条件が厳しくなっています。
3年以上の正常な婚姻生活ですが。
同居して夫婦として生活を営んでいた事が必要です。
別居していた場合、交流が相互扶助があれば認められる可能性があります。
(可能性があるだけで、実際のところは厳しい)
離婚後の経済力に関しては、実子扶養ビザと同様です。
(生活保護に頼らなくても生きていけること)
次に日本語能力については、入管局への申請や面談などで意思の疎通が出来るレベルが必要。
(通訳やアプリを使わないとコミュニケーションが取れない状態だと厳しい)
N2やN1などの資格は求められていないです。
(あれば日本語能力の立証資料になる)
公的義務を履行している。
これは税金や社会保険をキチンと払っている。
または警察のお世話になっていない、在留カードの届出を出している。
あとは配偶者に関する届出を期限内に出したことも大事です。
離婚定住ビザは離婚の原因も重要です。
離婚の原因が外国人配偶者にある場合、不許可リスクが高くなります。
申請理由書には、離婚に至った原因や経緯を詳しく書く必要があります。
(書かなかった場合、後日に追加資料請求がやって来る)
理由書に書いた内容を証明する資料を添付することも大事です。
例えばDV被害があった場合、医師の診断書や保護施設からの文書、警察に相談した事を証明する資料など。
離婚原因の審査では、入国審査官が日本人配偶者に事情聴取することがあります。
(申請理由書に虚偽の内容は絶対ダメです)
離婚後の経緯の説明に関しては下記のコンテンツでも紹介しております。
ラストは日本人配偶者が亡くなった場合です。
離婚定住と似ていますが、要件は離婚定住よりも少しだけ緩和される部分があります。
(婚姻生活の破綻が原因ではないため)
死別定住は以下の要件を全部満たしている場合に許可が下ります。
パッと見の要件は、離婚定住と同じです。
3年以上の結婚生活(同居、相互扶助)、経済力、生活力。
あとは公的義務を果たしていることです。
配偶者に関する届出も2週間以内に提出していることも重要です。
日本人配偶者と離婚した後のビザ手続きでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪府行政書士会 国際研究会会員
大阪府行政書士会 法人研究会会員
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
外国籍の方の在留資格手続き、帰化申請(日本国籍取得)
年間相談件数は、500件を超える。
【運営サイト】
はい大丈夫です。
お電話の場合、書類の確認などができないので、分かる範囲内での回答になります。
許可を出すのは入管局なので、100%必ずとはお約束は難しいです。
許可が取れるように最善を尽くします。
(虚偽申請はダメですけど)
在留カードなど本人確認書類をご持参いただけると幸いです。
大丈夫です。
相談者様が納得された時にご依頼いただければと思います。
(配偶者ビザ申請はお互いの信頼が最重要)
強引に契約を迫る事はございません。
配偶者ビザの種類によりますが、概ね以下の日数はかかるかと思います。
・新規の呼び寄せ:3か月
・ビザ更新:2か月
・ビザ変更:2か月
書類の準備に1か月程度と入管局の審査期間が必要です。
参考までに入管局の標準処理期間を6年分の推移をコンテンツにしております。