この記事は海外赴任や駐在中に、国際結婚して日本に帰国する場合の配偶者ビザ申請について。
海外赴任が終ったので、外国籍の妻と一緒に帰国する予定です。
ついては妻の配偶者ビザ申請をお願いしたい。
海外からメールで上記のような、お問い合わせが意外と来ます。
外国からの問い合わせメールは、ほぼ100%と言っても良い位にこれ。
(直近では、インドネシア、イタリア、メキシコからありました。)
結論から申し上げますと、配偶者ビザ申請は可能です。
要件を満たしていれば、問題なく結婚ビザは許可されます。
この場合、一般的な呼び寄せとは、異なる注意点があります。
やり方は二通りあります。
どちらにせよ、外国人パートナーを日本に招へいする手続きになります。
一番多いのは日本人の親か子供、兄弟が外国人配偶者を呼び寄せ役になります。
日本人配偶者が先に帰って呼び寄せる方法は、親族が居ない場合になります。
日本に呼び寄せる手続きは、在留資格認定証明書交付許可申請と言います。
まずは日本人配偶者の親族(親・兄弟、子供)が海外にいる夫婦の代りに手続きする方法です。
在留資格認定証明書交付許可申請は、日本から「おいでおいで」する人が必要です。
配偶者ビザの場合、本邦(日本国内)に居住する本人の親族です。
ここで言う親族とは、6親等以内の血族、3親等以内の姻族と配偶者と民法725条に規定されています。
行政書士単体では、「おいでおいでする人」が居ないと手続きができない仕組みになっています。
行政書士は日本にいる親族から委任されて初めて、手続きできます。
これは入管法の施行規則や入管庁のパンフレットにも記載されています。
https://www.moj.go.jp/isa/content/930006066.pdf
ご興味のある方は、上記のPDFをご覧ください。
(URLをタップするとPDFがダウンロードされます)
もう一つの方法は、夫婦で日本人だけが先に帰国する方法です。
帰国した人が外国にいる夫・妻を在留資格認定証明書で呼び寄せる形になります。
夫婦の海外生活が非常に長かった場合、この方法になる事が多いです。
(両親も既に他界して、子供も海外在住しているパターン)
これもよく聞かれる質問です。
早くて3か月、スムーズに行かない場合は半年くらい掛かります。
夫婦そろって帰国を予定されるなら、かなり前もって準備が必要になります。
帰国までに必要な手続きは以下の様になります。
配偶者ビザの標準処理期間は、65.7日と入管庁から公表されています。
(書類受理されてから、COEの文書が届くまで)
COEを日本大使館に提出してから、査証が発行されるまで1週間ほど掛かります。
役所の処理期間は、申請者側からはどうすることもできません。
申請者側がコントロール出来るのは、申請書類を作成から提出までの期間です。
日本在住の親族にお願いする場合…
意外と時間がかかると思います。
やり慣れない手続きに、海外からの書類のやり取り、親族のスケジュールなどなど。
書類の郵送で意外と時間が取られます。
結婚証などの公的書類は原本が必要なので、EMSなど外国郵便を使うことになります。
また在留資格認定証明書の手続きは、非常に難易度が高いものです。
在留資格の該当性を文書で説明が必要です。
出入国在留管理庁のホームページには、配偶者ビザの提出書類が書かれています。
そこには、1年から2年分の市区町村発行の課税・納税証明書が必要と書かれています。
しかしながら、海外生活が長い方の場合…
住所が日本に無いので、納税証明書が取れない状態にあります。
夫婦に収入や経済力が有ることを別の書面で示すことで対応します。
例えば、現在の勤務先の在職証明書や給与明細、預金通帳のコピー。
もしくは赴任先の国から発行される納税証明書などの公的書類。
これらの書類を入管局に提出することで、日本での生活に問題が無い事を立証していきます。
あとは別途、納税証明書が取れない理由を理由書や上申書など
任意の文書で提出すると尚良しですね。
次は帰国後の仕事についてです。
駐在員など海外赴任で日本に戻る方だけではありません。
向うでしていた仕事を辞めて日本に帰国される方も居られます。
(無職だと配偶者ビザの審査は不利)
申請書でフォローをしなかった場合、日本での生活状況に疑義有りという理由で不許可にされる可能性があります。
この場合の対応方法は、帰国後の生活に問題が無い事をアピールします。
例えば預金残高が多いことや、持ち家で家賃が掛からない事、有価証券や不動産の収入がある事。
預金通帳のコピー、建物の登記簿、保有している有価証券の情報などを提出することで証明します。
またご両親やご兄弟に身元保証書を書いて貰うなどもあります。
(日本で生活が安定するまで援助して貰えることを証明)
身元保証書を書いて貰った人の納税証明書などの書類も必要です。
(保証人が経費支弁能力がある事を証明する為)
ちなみに身元保証人は、借金の連帯保証人の様なキツイ義務はありません。
道義的な責任を要求されるのみです。
あとは帰国後に就職活動をして、早い段階で仕事を得られるようにアピールすることも重要です。
配偶者ビザの審査は、ストック(貯金)が多い事より、定期的なフロー(給与)が有ることを重視しています。
帰国後に居住予定の家も重要です。
入管局には、賃貸借契約書や建物の登記簿謄本や部屋の写真、間取り図を提出する必要があります。
夫婦が住むには狭すぎる家だと偽装結婚が疑われます。
帰国後の家もそれなりの広さがある場所を選びましょう。
海外赴任からの帰国と配偶者ビザについてでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
はい大丈夫です。
お電話の場合、書類の確認などができないので、分かる範囲内での回答になります。
許可を出すのは入管局なので、100%必ずとはお約束は難しいです。
許可が取れるように最善を尽くします。
(虚偽申請はダメですけど)
在留カードなど本人確認書類をご持参いただけると幸いです。
大丈夫です。
相談者様が納得された時にご依頼いただければと思います。
(配偶者ビザ申請はお互いの信頼が最重要)
強引に契約を迫る事はございません。
配偶者ビザの種類によりますが、概ね以下の日数はかかるかと思います。
・新規の呼び寄せ:3か月
・ビザ更新:2か月
・ビザ変更:2か月
書類の準備に1か月程度と入管局の審査期間が必要です。
参考までに入管局の標準処理期間を6年分の推移をコンテンツにしております。