この記事は配偶者ビザの許可率と不許可時の対応方法について。
まずは許可率からお話します。
出入国在留管理局は、配偶者ビザの許可率・不許可率を公表していません。
(身も蓋も無い話ですが)
一説には70%という噂を聞いたことがありますが…
あくまでも噂で信ぴょう性ゼロです。
身分系ビザを専門にしている弊所の肌感覚だと、不許可だった方は少なくないです。
自分で申請して不許可だったと問合せ・相談にされる方がそれなりに居られます。
実際に先日、自分でビザ申請をして不許可になった人からの依頼がありました。
(不許可からの再申請の相談は結構多いです。)
友達から貴方なら大丈夫!と言われて、自分で夫の申請したけど…
入管から不交付の通知が来て愕然としました。
不許可からの相談では、概ねこの様な感じから始まります。
入管局に理由を聞きに行って、入管局がちゃんと見てくれていないと憤慨される方も…
弊所が見聞きした不許可で多い理由。
配偶者ビザ申請は文書と写真だけで審査します。
要件の証明は申請者の責任で行う事が求めらています。
説明不足だった場合、アッサリと不許可になってしまいます。
入管局への説明は独特です。
見たら分かるだろうって感じだと考慮されないことが多いです。
説明不足で不許可はこのパターン。
行政書士などプロが絡んだ案件の場合は…
ダメ元で申請してやっぱりダメだった(依頼者に承諾済み)
もしくは行政書士が聞いていない不都合な事実が発覚。
この様な事例が多いです。
依頼される方にお願いがあります。
不都合な事情も専門家に仰ってください。
行政書士は貴方の敵ではありません。
また行政書士は法律で守秘義務が科されていますので、お預かりした情報を漏らしません。
配偶者ビザが残念な結果になった場合…
ショックを受けると思います。
真っ当な結婚なのに、役所(入管局)が認めてくれない…
弊所に不許可になったと相談に来られた方は非常に落ち込んでいます。
(心痛お察しいたします。)
入管手続きは、建設業許可などの許認可と違い普通に不許可処分が出ます。
(一般的な許認可は、ダメな場合窓口で受理されずに突っ返される)
在留資格認定証明書(外国から呼び寄せ)の時は、不交付決定通知書と呼ばれるペラ一枚が郵送。
呼び寄せの時は、簡易書留の封筒で送られてきます。
そして封筒に触れた瞬間に、結果が分かる仕様になってます。
在留資格認定証明書は厚紙が入っているので封筒が固い。
不許可の時は、コピー用紙数枚なので封筒が柔らかい。
変更や更新が不許可になった場合、ハガキで期日を指定されて出頭要請。
(多くの場合、個室で入国審査官から不許可を告げられる)
ハガキで不許可を言わずに出頭させるのは、失踪を防ぐためとか。
依頼者と一緒に入管局に出頭は行政書士として一番やりたくない仕事ですね。
(やりたいという人は皆無でしょうけど)
更新・変更で不許可になれば、日本に滞在できなくなります。
大抵は30日の出国準備の在留資格が出されます。
(31日が出る場合もある)
配偶者ビザが不許可の場合、対応が必要になります。
まずは配偶者ビザそのものを断念して別の方法を考える。
例えば外国人配偶者が就労ビザなどが可能な場合は、そちらを検討する。
暫くは短期滞在ビザを取得する。
または日本ではなく、パートナーの母国で配偶者ビザを取得する。
(外国でも同じような審査が待っている事に変わりは無いけど)
リベンジを図ることも可能です。
入管局のビザ申請は、何度でも手続きができます。
どうしても日本で一緒に暮らしたい場合は、再挑戦できます。
前回と同じ書類を出しても結果は変わらないので、ダメだった部分を修正してから再申請します。
収入が少なくて結婚生活の継続性に疑義が持たれた場合は、継続性をアピールする書類を準備します。
交際実績に疑義が持たれた場合は、結婚の真実性を立証する書類を強化した書類を再提出。
再申請をする場合は、不許可理由が分からないと対処しようがありません。
まずは申請した出入国在留管理局に行って担当官から直接理由を聞きに行きます。
在留資格の手続きは、一度だけ入国審査官から失敗した理由を教えて貰えます。
理由を聞きに行く入管局は、配偶者ビザの申請をした入管局です。
申請者だけでも行くことは可能です。
または行政書士と一緒に理由を聞きに行くことも出来ます。
行政書士が同席可能なのは、原則的に行政書士が依頼を受けた案件だけです。
不許可後に依頼された場合は、付き添いとして別室で待つことになります。
行政書士が同席できない場合でも、質問のポイントなどを予め聞くことが出来ます。
担当官に不許可理由を聞く場合のポイントは
不許可理由を全部聞き出す様にすることです。
失敗した理由が1つとは限らないです。
大抵は複数の理由が存在します。
担当官の性格によっては、一番大きな理由を伝えてお終いのケースも。
なのでしつこい位に聞き出す姿勢が大事です。
次は感情的な対応はNGと言うことです。
不許可にされた場合、冷静で居られる方は少ないです。
説明を受ける際に、感情的になって審査官にクレームを付けたり、窮状を訴えるケースも。
入管局の担当者相手に大声を出しても無意味です。
苦情を申告しても、結果は変わりません。
むしろマイナスに作用することが多いです。
入管局は外国人の記録を残し続けます。
この時に乱暴な言葉や感情的な対応もキッチリと記録されます。
これが後々の申請でボディーブローのように効いてきます。
また感情に任せてしまうと、担当者から情報を得る事も難しくなります。
入管局で理由を聞きました。
次は不許可になった理由が短期間で修正できるのかを検討します。
再申請で許可が出るのは、説明不足のパターンです。
要件を満たしているけど、審査官に上手く伝わっていないケースです。
リカバリーが可能だと判断できたら、その部分を直した申請書を作成して再度入管に提出します。
逆に欠点が大きくて、修正に長期間かかると考えられる場合は、別のビザを検討するなど方向性を変える必要が出てきます。
リカバリー可能な物としては、結婚生活の安定性に不安があると言われた場合。
経済的に余裕のある親族に身元保証人になって貰う。
貯金通帳のコピーを提出して、生活が可能な事をアピールする。
部屋が狭すぎると言われた場合は、家族用の広い部屋を準備するなど。
交際期間が短すぎて、婚姻の信ぴょう性が弱いのが原因の場合。
夫婦で色々な場所に行って、実績を積むなどの方法があります。
逆にリカバリー不能な物としては…
ビザ申請書に虚偽を記した事が担当官にバレてしまった場合です。
入管局は虚偽申請を最も嫌います。
嘘を吐いたの一点で全てがおじゃんになります。
虚偽申請は絶対にダメです。
配偶者ビザの申請は書面で行います。
申請書と添付書類をセットで説明します。
申請書で説明しきれない部分を各種添付書類を用いて説明します。
個別的な事情がある場合は、理由書など任意の書面を作成します。
ポイントは添付書類を出す場合は、出した意図も説明することです。
意図を説明しないと、審査に考慮してもらえない可能性があります。
(最悪はマイナス方向に作用することも)
例えば経済的基盤を説明する為に、自分が経営する会社の決算書を出したとします。
申請者の意図としては、経営する会社が儲かってるんだから、経済的基盤は大丈夫だろう。
誰が見ても分かり切ったことという風に、それだけをポンと出したとします。
全く事情を知らない審査官からすると、「?」となることがあります。
会社が利益出しているのは分かるけど、肝心の経営者の納税証明書に書かれた所得が少なかったり。
会社の確定申告書(税務署のハンコあり)が付いていないと、その数字が本当に正しい数字か不明です。
たとえ審査官が好意的に見てくれたとしても…
それを上司に説明できない状態だと審査にプラスにならないケースもあります。
配偶者ビザに限らす、ビザ申請は貴方の事を全く知らない人にも分かるような説明が必要です。
くどいくらいに説明することが重要です。
最後に一度不許可になっての再申請は、難易度が数段上がります。
入管局にはケチが付いた情報が残っています。
再申請はマイナスからのスタートです。
例えば合格点が、60点だとします。
1回目はゼロからスタートで、60点以上になる申請書の作成で許可が出ます。
不許可になった場合、マイナス20点くらいから始まります。
合格点である60点を取ろうと思えば、80点以上を狙う必要が出てきます。
また配偶者ビザへの変更や更新で不許可になった場合・・・
特定活動「出国準備」の在留資格が付与されます。
これは文字通り、母国へ帰るための引っ越し準備のために与えられるものです。
大抵は30日か31日で、この間に帰国する必要があります。
出国準備から再申請する場合、出国準備の期間内に書類の準備が必要です。
(超特急で申請準備が必要になります。)
この様に再申請は思ってらっしゃるよりも大変な作業です。
行政書士などのプロでも難儀することが多い事例になります。
配偶者ビザ取得を検討される場合、ご自身の状況から鑑みて…
一筋縄ではいかぬと思った時は、ご自身だけで解決しようとせずに、最初から行政書士に相談することをお勧めします。
再申請するリスクやコストを考えると、行政書士に依頼した方が結果的に安くついたと言う事は良くあります。
弊所でも配偶者ビザのご相談を受け付けています。
ご遠慮なくご連絡ください。
配偶者ビザ申請で失敗した時でした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
はい大丈夫です。
お電話の場合、書類の確認などができないので、分かる範囲内での回答になります。
許可を出すのは入管局なので、100%必ずとはお約束は難しいです。
許可が取れるように最善を尽くします。
(虚偽申請はダメですけど)
在留カードなど本人確認書類をご持参いただけると幸いです。
大丈夫です。
相談者様が納得された時にご依頼いただければと思います。
(配偶者ビザ申請はお互いの信頼が最重要)
強引に契約を迫る事はございません。
配偶者ビザの種類によりますが、概ね以下の日数はかかるかと思います。
・新規の呼び寄せ:3か月
・ビザ更新:2か月
・ビザ変更:2か月
書類の準備に1か月程度と入管局の審査期間が必要です。
参考までに入管局の標準処理期間を6年分の推移をコンテンツにしております。